たいらの獅子舞


獅子頭  ●獅子頭

 寸法:
  幅  30cm
  高さ 30cm(角、耳なし)
  長さ 43cm 

 重量: 5.6kg

 材質: 木製

獅子の横顔 獅子の横顔2


●ししまい

 地域の氏神様である神明神社の春の祭典

・ 獅子舞を奉納して今年の豊年と安全の祈願をします。この伝統行事は、 約二百年前から続いていると言われています。
8畳のたたみの上で舞うおとなしい動きの獅子舞です。 後継者不足が深刻化しています。



● 2001年4月1日撮影

  ししまい 


たいらのししまい

ししまい


道行き

道行き   

 道行きの獅子

 私の住む岐阜県七宗町の平区に伝わる獅子舞です。昔は4月16日に奉納されていたようですが、 その後4月6日に変更され、現在は4月の第1日曜日となっています。
 この地域には各区に伝わるいろいろな獅子舞がありますが、「たいらの獅子舞」もその一つです。
 獅子頭は、大きくて耳が立ち、1本の角があります。


 役 割
< 獅子:2人  太鼓:1人  笛:2人  鼓:2人 >

 獅子舞役の2人は凸凹コンビでペアを組みます。
 凸は後ろ足(ウス)、凹は前足(カブ)となります。前足役は重たい獅子頭の微妙な振り付けと笛に合わせた全体の動きをコントロールする役で、低い姿勢をとり続けるため 相当の体力と経験が必要です。
獅子頭は大きく前足役は自分の頭を獅子頭に入れていますが、舞の途中で頭を抜き、一気に頭を入れなければならない場面があります。 獅子頭の内側には2つの耳と1本の角の突起部分があって、うまくやらないとこれで痛い目に遭います。 獅子舞は約10分間ですが、体力の消耗が激しいため2度目を続けて舞うことはできず、交代します。

帰り道
  帰り道

笛、太鼓、鼓

笛、太鼓、鼓   

あっ 鼓の持ち方が逆ですね!

はんにゃ〜  
 太鼓は、「道行き」と「帰り」は太鼓車で打ちますが、獅子舞奉納では座って打ちます。

 笛は裃を着けるのは2人ですが、「助笛」といって息継ぎなどを助けるためみんなで応援します。 横笛はなかなか鳴らないのと楽譜がないため後継者が育ちにくく、親から教えてもらえる環境が どうしても必要なため俗に言う「笛の家系」となりがちです。作者も笛を担当しています。
 笛は6穴のものとちょっと細目の7穴のものがありますが、細目のものの方が高い音色となって 吹きやすいと思います。

 鼓打ちは、小学校低学年の男子の役です。時折、獅子舞が口を大きく開けたとき 「はんにゃ〜」と大声で叫び鼓を2回打ちます。


獅子舞奉納

試楽と本楽
 試楽(しんがく)とは本楽(ほんがく)の前日、本楽は獅子舞を奉納する本祭りの日のことを言います。
 昔は本楽が4月16日だったようですが小学校の入学式が7日であったため、鼓打ちの都合を考えて 6日に変更したようです。その後、教育委員会から入学式を6日にしたいとの打診があったとき この地域が断固反対したため、現在でも入学式は7日です。(隣接市町は6日)
 しかし、時代の波には逆らえず97年からは第1日曜日とすることになりました。



 当 元
 獅子舞をする青年たちをお世話するのが当元(とうもと)です。
 昔は当元を2軒の氏子が担当していました。初めて担当する家を初当元(はつとうもと)といい、 もう一方を「あがり当元」と言っていたようです。練習はそれぞれの当元で3日間ずつ行われ、 たいそうなご馳走を振る舞い、各家が激しい接待競争を繰り広げました。
 本楽に獅子の出発するのはあがり当元の家からで、神社から遠いところでは笛を吹く時間が長く たいへんだったようです。青年たちは当元へのお礼のため祭りが終わった後、その家で もう一度獅子舞を舞ったそうです。

 過疎化が進んで氏子の数も減少を続け、今では30軒程度となりました。青年の数も少なく、その上に 獅子舞も笛も太鼓も何もできない人が増えてきたため、後継者不足は深刻です。
 現在では当元は班単位で担当し、練習は集会所で行っています。